相手の立場で考える力が未来を創る—ベトナムで働く日本人の姿から学ぶ

昨日、既存の顧客担当が変わり、新たな担当者の方とご挨拶とともに、来年度の教育計画について話をしました。この対話を通じて、特に「仕事の価値」とは何かを深く考える機会を得ました。新しい担当者との話の中で、お客様視点の価値提供について改めて考えさせられました。

担当者とのやり取りで印象に残ったのは、日常的な商品でもユーザー視点に立つことで、新しい価値や改善点が見えてくるという点です。例えば、担当者は目の前にあったペットボトルを例に取り、「お客様の立場で考える」とはどういうことかを実感できる話をしてくれました。開けにくさや、持った際の使いやすさといった細やかな点にまで気を配り、製品の価値を高める姿勢こそが、本来の仕事の価値であると気付かされました。

また、業務が細分化される中でも「仕事はリレーのようなもの」である意識と行動をとることも大切だと感じました。組織の中で役割分担があるものの、自分の業務が次のステップや最終的なエンドユーザーにどのように影響するかを意識することが、真の価値提供に繋がるのです。このように「次の人」や「お客様」の立場を思いやる姿勢が、より高い満足と価値を届ける力になります。

最も印象に残ったのは、なぜ新しい担当者がここまで深く考えているのかについて伺ったときのことです。彼は「ベトナムで働く日本人としての役割」を自覚しており、相手の立場に立って考え行動できる人材を育てることがベトナムの経済成長に寄与すると強く信じていました。自社からそのような人材を育成し、国全体に貢献したいという使命感にあふれていました。ビジネスを超えた高い志に、こちらも大きな刺激を受けました。

このような対話を通じ、私たちもまた、海外で活躍する人材の育成に携わる身として、仕事に込める意義や目指すべき理想の姿を再認識することができました。教育を通じて、相手の視点を重んじ、行動に反映できる人材が増えることが、日本全体の成長にもつながると信じています。

このコラムが、皆様の海外研修プログラムにおける意義と目標を改めて考えるきっかけになれば幸いです。